「菊尽くし」のお稽古は毎年秋に一回するのですが、今年は「重陽の節句」に合わせて、9月の上旬にもってきました。関東では関西より「重陽の節句」の存在が知られていないような気がし、花を通して、五節句の一つをお伝えしようと思ったのです。
ご存じの方も多いと思いますが、「重陽の節句」は五節句の一つです。五節句とは、1月7日(人日=じんじつ)、3月3日(上巳=じょうし/じょうみ)、5月5日(端午)、7月7日(七夕=しちせき)、9月9日(重陽)を指し、邪気を払い無病息災を祈る伝統的な行事を行う日とされています。それぞれに頂くものや邪気を払うとされる植物も決められています。重陽の節句では、菊酒を飲み、菊の被綿(きせわた)に溜まった露で身体をぬぐい、健康や長寿を願います。そして、菊を愛でます。
お稽古では、「被綿」や「百歳雛=ももとせびな」の写真、それから、他流派の菊一式の写真をお見せした後、山村御流の菊尽くしのお稽古をしました。
また、今年はお花屋さんにご相談して、3種類の色の組み合わせを作っていただきました。
主体(大輪) 対照(小菊) 色添え(スプレー菊)
👑1位 黄色 白 オレンジ
👑2位 白 黄色 オレンジ
👑3位 白 紫 ピンク
お稽古にいらした方々に選んでいただいたのですが、人気ランキングは上記の順でした。
紫とピンクのグラデーションの組み合わせが人気を博すかと思いましたが、黄色が主体のものが圧倒的一位でした。やはりお節句の花と思うと王道が選ばれるのかもしれません。
私は、最後に残ったピンクのグラデーションの菊を生けました。この組み合わせは、少しカジュアルなような気がしたので、籠に生けてみました。ちなみに伸びに使っている竹は、かつて、菊の支柱に使っていた竹を模しています。
余談ですが、神奈川県相模原市の給食では、重陽の節句の日のメニューのおうどんに菊の花びらが散らしてあるそうです。驚きとともになんだか温かい気持ちになりました。
①被綿
②
③百歳雛
④
写真
①②③ 京都市上京区総合庁舎
コメント