お盆、マティス展の後に訪れたのは、山種美術館の特別展「日本画に挑んだ精鋭たち」です。
明治の日本画をよく見に行きますので、タイトルにあった菱田春草、上村松園、速水御舟などの画家名に惹かれました。マティス展の後、クールダウンするにはちょうど良いような気がしました。
今回の特別展では、明治時代に入り西洋文化を吸収して近代化を進めようとする画壇の中で、西洋画を凌駕する日本の絵画を生み出そうとした画家たちの作品が揃えられ、現代にいたるまでの流れに焦点があてられたようです。現代に至るまでの流れに関しては、あまり思い入れがなかったので、展覧会のコンセプトによって、新たな視点を持つことができたように思います。
速水御舟の『白芙蓉』が、展示されていました。花の部分だけが彩色されています。花びらはクリーム色がほどこされ、それが白にかわり、中心にはなんともいえない臙脂色がさされています。しかし、花以外の葉や蕾はモノトーンで描かれており、一日花の芙蓉の花のみが彩色され、いきいきと描かれているのが印象的でした。
やはり、山種美術館所蔵ですが、御舟の『桔梗』は、逆に葉と茎、そして、萼の部分のみが彩色され、花の部分は濃紫で描かれています。故に桔梗の紫が想像され、これも、心に残る作品です。
マティスのビビッドな色使いとは真逆で、部分のみの彩色は、観るものに想像の余地を与えるように思いました。
①『白芙蓉』
②『桔梗』
画像出典
①『白芙蓉』 ポストカード
②『桔梗』 ポストカード
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