日中の東京はまだ暑いですが、自然教育園の中は快適です。
今日、一番にご紹介するのは、トラノオスズカケ(コバノハグサ科)です。自然教育園の情報によると、本来は四国や九州に生育する植物で、関東には自生しない絶滅危惧種指定の植物です。教育園のトラノオスズカケは江戸時代に松平讃岐守の故郷から平賀源内が持ち込んだとのことです。どんな植物かと思いきや、つつましやかなかわいらしい植物でした。
園内には9月ともなると、誇らしげに咲くものはなく、過ぎ行く夏を惜しむかのように、ヌスビトハギ、ノシラン、センニンソウ、ツルボ、シロバナサクラタデ、そして、白いワレモコウなどが咲いていました。
春や夏に目を楽しませてくれた花々は実に変わり、ムサシアブミ、ガマズミ、マンリョウ、ヤマユリ、ウバユリ、ノハナショウブなどの堂々とした実が見られ、季節の移ろいを感じずにはいられません
。
ふと、上を見上げると、大樹の狭間に高い秋の空が広がっていました。考えてみると、自然教育園では下ばかり見ています。樹木も目線にあるものしか見ていません。自然教育園は多くの大木におおわれていますが、それら大木の葉、枝ぶり、花は意識して見ることはありません。いけばなに使われてきた植物も、そういったものが多いのではないかとふと思いました。
①トラノオスズカケ
②センニンソウ
③ツルボ
④シロワレモコウ
⑤ムサシアブミ
⑥ヤマユリ
⑦ノハナショウブ
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